子供さんがいる家庭では、子供さんの成長速度について色々と考えることが多いと思います。
健康面もそうですが、身体的な大きさも特に気になるかと思います。

あまりにも心配だと、「成長障害かも」とも思いそうですが、大半の場合では、平均よりも少し小柄とか、伸びるタイミングが遅く、一気に伸びるということがよくあります。
気になったタイミングで、食生活の見直しや、ちょっとしたストレッチなどの運動を心がけてみると、意外にもすぐに改善することが多いです。

しかし、やはり中には本当に成長障害だった、ということもあります。

成長曲線でチェックできる

成長障害とは、何らかの原因によって体の成長が著しく遅れる、もしくは早まるという疾患のことです。
主に身長において現れることが多く、平均的な標準身長をもとにその数値よりも大幅に外れて低いと、成長障害の可能性が高いとされています。

この標準身長とは、成長曲線をもとに判断します。
母子手帳にもあるもので、乳児の月齢ごとでの成長速度が、標準の数値と比較して、どれほど近いのか、反対に離れているのかを確認できます。

この数値はいわゆる「偏差」になり、スタンダードデビエーションと呼ばれ、略してSDと呼びます。
SDが「-2SD以下」で低身長症、反対に「+2SD以上」だと高身長症の疑いがあります。
どちらかであれば専門医を受診して、その原因の解明と対策をする必要があります。
しかし、実は-2SD以下の低身長症が疑われるお子さんの9割は、原因が不明なのです。

成長障害はホルモン異常の可能性が!?

成長障害の原因はほとんどが原因不明ですが、それはホルモンの異常の可能性が高いためです。

なぜホルモンの分泌に異常が出るのかが不明なことが多いということです。
正式には「成長ホルモン分泌不全性低身長症」というものです。
成長ホルモンのうち、子供の軟骨部分の増殖を促す成長ホルモンが十分に分泌されず、成長が阻害されてしまい、低身長症を引き起こしているというものです。

多くの場合では、この成長ホルモン不足の原因がわからないですが、場合によっては脳腫瘍があるために阻害されているという可能性があります。
成長ホルモンの分泌をつかさどるのは脳にある脳下垂体ですので、脳腫瘍などによって阻害されているというものです。

そしてもう一つ、甲状腺機能低下症というものがあります。
喉にある甲状腺の分泌が低下し、同じく骨の軟骨部分の増殖が阻害され、成長障害を引き起こしている可能性があります。

染色体異常の可能性もあります

ホルモンや甲状腺の異常により軟骨が伸びない、身長が伸びないというのとは違い、染色体の異常によって成長障害が起きていることもあります。
それはターナー症候群と、ブラダーウィリー症候群です。
ターナー症候群とは、女子にのみ発症するもので、遺伝子内のX染色体の一つが欠けて、低身長症をおこしているというものです。
女性の低身長症のうち、1割ほどで見られ、染色体の異常ではありますが発達障害の症状はなく、身長の低さを除けば、社会的な生活は問題なく送れます。

一方、ブラダーウィリー症候群は、染色体の中の15番染色体の変異によっておこるもので、低身長になるのと同時に筋肉量が落ちたり、過食症を併発することがあります。
また、発達障害の症状も見られ、ターナー症候群よりも社会への適応が難しい障害です。

ホルモン異常、染色体異常への対処法

これらへの対処法は、まず成長ホルモン分泌不全性低身長症の場合は1日1回、成長ホルモン剤をお尻や太ももなどの下肢に直接注射するという方法があります。
基本的には一般的に骨が伸び切る、成長期が終わる成人近くまで続ける必要がありますが、医療費の補助制度などもありますので、比較的スムーズに受けられます。
染色体異常であるターナー症候群やブラダーウィリー症候群も同じように、ホルモン剤を投与することで治療ができます。

子宮内発育不全による成長障害

上記二つとは大きく異なり、子宮内で育っているときから発育が遅い、生まれたときも非常に小さい、いわゆる未熟児で生まれてしまう成長障害に、SGA性低身長症というものがあります。
一般的な未熟児でも、大半のお子さんは3歳ほどまでに標準身長付近まで成長します。
しかしSGA性低身長症のお子さんは3歳時点でも低身長のままのことが多く、低身長のまま成人を迎えることが大半です。
成人時には肥満や糖尿病のリスクも高まります。
子宮内発育不全の治療方法としては、ほかの成長障害と同じく、成長ホルモン剤の投与で治療をしていきます。

成長障害の可能性があるなら、早めの判断を

これらの種類の成長障害は、成長ホルモン剤の投与などである程度回復が見込めるものです。
中には臓器の異常、骨そのものに疾患があるなどの場合もあります。
過剰に気にして成長障害を疑うなど、心配性になる必要はありません。
最初に書いたような、成長曲線を見てみて、心配であれば小児科に相談してみてください。

もし原因がはっきりと判明したら、早めに対処をしましょう。